協調安全、Safety2.0とは

協調安全とは、人・モノ・環境が、情報を共有することで協調して安全を構築する安全の概念です。また、Safety2.0は、情報通信技術(ICT)等を活用し、人・モノ・環境が、情報を共有することで、安全を確保する協調安全の技術的方策です。

人とモノ(機械)の関係において、人の注意力による安全をSafety0.0、人と機械を隔離する安全をSafety1.0、情報の共有による安全をSafety2.0として、それぞれの違いを以下に示します。

安全の当初の取り組みであるSafety0.0では、人の注意力や判断力によって安全を確保してきました。ただ、この方法では、機械の領域や、人と機械の共存領域ではリスクが高い状態です。その次の段階の取り組みであるSafety1.0では、機械に安全対策を施すことにより、機械自体のリスクを下げると同時に、人と機械を隔離する、つまり人と機械の共存領域をなくすことにより、安全のレベルを引き上げています。ところが最近では、生産性を高めるために人と機械(ロボットなど)が共存する現場が増えてきたり、熟練者の減少により現場力が低下したりするなど、Safety1.0の取り組みでは対応が困難になりつつあります。これをカバーするのが、新しいSafety2.0です。人とモノと環境が協調することで、人と機械それぞれの領域はもちろん、両者の共存領域の安全も高く保つことが可能となります。

Safety2.0を活用した協調安全による安全化は、ものづくり分野だけでなく、物流システムや交通における移動体との安全、土木・建築機械との安全あるいは作業安全、農業機械の安全、医療・介護分野での人の安全、また、社会インフラの状態変化に対する安全など、広範囲に適用可能です。(経済産業省委託 平成30年度 「協調安全の国際標準化提案に向けたフィ―ジビリティ調査」成果報告書より)

適用事例:日経BP総研Safety2.0プロジェクト冊子より転載